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無駄を無くさない/015


久しぶりに鴨川のお店に戻ってきました。

しばらくはここに常駐して色々な事をブラッシュアップしていくつもりです。


僕らの作る空間や料理は、どれもとても面倒で時間のかかる事ばかりです。

お店作りについては未だ竣工しておらず、現在も何かしらの工事に着手している状況です。

料理については未だ完璧なものはなく、毎日1パーセントずつ質をあげています。

この1パーセントの改善は無駄な事かもしれません。

おそらくほんの少しパンのクラストが薄くなったりしても気づく人は少ないでしょうね。

会社のこだわりと世の中の求める質のズレというのは夢中になっていると気づかないものです。

ある本では、

世界一の品質を求める日本魂は、必死にその1パーセントを追い続け、前を見れば

ものすごいスピードで走る世界の競争に取り残されてしまったと言っています。

これは否定される事なのかは疑問ですが、

僕の知る世界には未だに「ジャパンクオリティ」が存在します。

先人達が築いてくれた1パーセントの改善の功績の上に僕らはいるのです。


さて、今年から鴨川店に戻り、久しぶりにレシピを再確認してみました。

様々な改善がされていて、無駄も沢山省かれていました。

しかし必要な無駄もその中にあったのです。

効率性優位になり隙間がなくなっていたので、少し余白のある環境を優位に持っていく必要があることに気づきました。

スタッフは完璧なものを追い求め続けてくれていた結果なのでとても関心しています。

しかし余白のない詰まった作業工程には息苦しさも感じました。

これでは良いものも環境も作れません。

この大切な事を伝えられなかった事は本当に申し訳なかったと感じました。

無駄なく最短でゴールを目指すと事に一生懸命になると余白が無くなり、

余裕を失い気味になる。

無駄な時間の中にアイデアが転がっているのです。

ものを作ることにこの時間は欠かせない。

今年は少し無駄を取り入れながら前に進みます。

時間の燃費は多少悪くなりますが、意味ある前進です。





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